高速道路の渋滞を生む「地理的カラクリ」と見えない罠
事故もないのに、なぜ毎年同じ場所で?

お盆になると、高速道路では毎年似た場所が渋滞します。車が多いから――だけではありません。下り坂から上り坂へ変わる「サグ」、合流、車線数の変化。そこへ大量の車が集中すると、小さな減速が何kmもの渋滞へ変わります。今回は「なぜ渋滞はいつも同じ場所なのか」を地理から考えます。
地理おた部 2026.08.10
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こんにちは。地理おた部です。

お盆や大型連休。

テレビやラジオから、

「○○付近を先頭に渋滞しています」

という交通情報が何度も聞こえてきます。

そこで、少し不思議に思いませんか。

日本中に高速道路があるのに、

なぜ毎年、似たような場所ばかりが渋滞するのでしょう。

もちろん、

「車が多いから」

というのは間違いではありません。

でも、それだけなら、交通量の多い区間すべてで同じように渋滞してもよさそうです。

実際には、

よく渋滞する場所。

意外と流れ続ける場所。

があります。

しかも、長い渋滞をようやく抜けて、

「事故でもあったのかな」

と思って前を見たら、

何もない。

事故車もない。

工事もしていない。

急にスーッと流れ始めた。

そんな経験をしたことがある人もいるでしょう。

いったい、渋滞の先頭では何が起きているのでしょうか。

道路を地理から見ていくと、

そこには地図だけでは見えにくい、

道路と人間の行動がつくる「見えない罠」

があります。

渋滞の先頭に「原因」があるとは限らない

私たちは渋滞すると、

「前で何か起きている」

と考えがちです。

事故。

工事。

故障車。

落下物。

もちろん、こうした原因で渋滞することもあります。

でも高速道路には、

何も道路をふさいでいないのに発生する渋滞

があります。

その代表的な場所の一つが、

サグ

です。

聞き慣れない言葉かもしれません。

でも、高速道路を利用する人なら、知らないうちに何度も通っている可能性があります。

「上り坂」に気づいていない

高速道路を横から切って見たところを想像してみてください。

道路がゆるやかに下っています。

やがて一番低いところを通り、

今度はゆるやかな上り坂になります。

この、

下り坂から上り坂へ変わる谷のような部分

がサグです。

ポイントは、

「急な坂ではない」

ことです。

急な上り坂なら、

「坂だ」

と気づきます。

アクセルを踏み足す人も多いでしょう。

でもサグは、変化がゆるやかです。

運転している本人が、

「上り坂になった」

と気づきにくいことがあります。

するとアクセルを踏む量は同じでも、車の速度が少し落ちます。

ほんの少しです。

それだけなら、大したことはなさそうですよね。

ところが、交通量が多い日は、この数km/hの変化が大きな意味を持ちます。

前の車が少し遅くなる。

後ろの車も速度を落とす。

さらに後ろの車も減速する。

車間距離が短ければ、後ろほど少し強めにブレーキを踏むこともあります。

こうして、

一台の小さな減速が、後ろの車へ次々に伝わっていく

のです。

ここで、とても奇妙なことが起こります。

渋滞は「後ろ」に進む

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続きは、2708文字あります。
  • では、なぜ普段は渋滞しないのか
  • 合流地点にも「見えない罠」がある
  • 3車線から2車線になったら?
  • トンネルは、なぜ流れを変えるのか
  • なぜ「毎年同じ場所」なのか
  • 渋滞には「住所」がある。
  • 渋滞情報の見方を一つ変えてみる
  • それなら、混む日を避ければいい?

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