雨のニュースばかりなのに、なぜ渇水が? 降水量だけでは見えない「日本の水不足」のカラクリ

「大雨が増えている」というニュースを目にする一方、2026年8月、早明浦ダムの貯水率は平年を大きく下回り、香川では第4次取水制限が決まりました。日本は世界でも雨の多い国のはずです。雨が増える話と、水が足りない話は、なぜ同じ夏に並ぶのでしょうか。
地理おた部 2026.08.31
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高知県土佐町にある早明浦ダムで、少し不思議な風景が現れています。

ダム湖の水位が下がり、普段は水の下にある旧大川村役場が姿を見せているのです。ダム建設に伴って水没した建物で、2026年8月25日には4階建ての建物の3階部分まで確認できるほど水位が低下しました。

数字で見ると、状況はさらにわかりやすくなります。8月25日0時の早明浦ダムの利水貯水率は27.2%。平年なら81.0%です。

8月3日に第一次、10日に第二次、19日に第三次と取水制限が強化され、25日には、香川用水への供給量を60%削減する第4次取水制限を28日から始めることが決まりました。実施されれば2008年以来18年ぶりです。

ところが、ここで妙な感じがしないでしょうか。

今年も私たちは、大雨のニュースを何度も見ています。

そもそも日本では、近年「大雨が増えている」こと自体が観測されています。気象庁の「日本の気候変動2025」によると、1時間に50mm以上の非常に激しい雨の年間発生回数は、1976〜1985年と2015〜2024年を比べると約1.5倍になりました。

それなのに、水が足りない。

しかも気象庁の同じ資料を見ると、もう一つ興味深い変化があります。

雨の降らない日も増えているのです。

全国51地点の観測では、日降水量1mm未満の日数は1901〜2024年の間に100年あたり9.2日増えています。一方、日本の年間降水量そのものには、過去約130年間では明瞭な長期変化は確認されていません。

ここに、今回の渇水を考える大きなヒントがあります。

「一年に何mm降ったか」だけを見ていると、日本の水で起きている変化を見落としてしまうのです。

ここから先では、雨の量と「使える水」の違い、気候変動によって変わりつつある雨の降り方、そして吉野川を対象にした2026年の最新研究が捉えた「渇水の前触れ」まで見ていきます。

増えた雨は、どこへ消えたのか

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続きは、3980文字あります。
  • 「100mmの雨」なら、いつ降っても同じなのか
  • 山に積もった雪も「水道の途中」にある
  • そして、早明浦ダムの渇水を「空」から見た研究が出た
  • 渇水は「自然現象」だけでもない
  • 蛇口の向こうには、想像以上に大きな地図がある

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