「愛知で水不足」、問題なのは“長野”の水源。普通の地図では見えない渇水の地理
8月13日から14日にかけて、千葉県では記録的な大雨となりました。22日には東京都や埼玉県南部でも、1時間に100〜120mmほどの猛烈な雨が解析された地域があります。
同じ8月、日本の別の場所では水が足りなくなっていました。
8月26日から、愛知用水では節水対策がさらに強化されました。農業用水20%、水道用水10%、工業用水20%です。
兵庫県では同じ26日から、県営水道の一部で20%の取水制限が始まりました。
香川県では、香川用水の50%取水制限が続いています。
日本地図を眺めているだけでは、少し奇妙に見えます。
大雨になっている地域がある一方で、水不足になっている地域もある。そして、水不足のニュースに「愛知」「香川」と県名が出てくる。
では、渇水している県を塗れば「2026年夏の水不足地図」が完成するのでしょうか。
前回の記事では、大雨が増えることと渇水が起きることは矛盾しないことを見てきました。
今回はもう一歩、地図の上を移動してみます。
8月26日時点で公表されている資料から、水が不足している場所ではなく、その水がどこから来ているのかを追います。
すると、普段見ている都道府県境がほとんど役に立たなくなってきます。
「水不足の県」は、どこですか
水資源機構が8月26日に更新した渇水情報を見ると、中部では豊川用水、愛知用水、三重用水で節水対策が実施されています。
豊川用水では農業・水道・工業用水をそれぞれ5%節水。
三重用水では農業30%、水道20%、工業30%。
愛知用水では26日から農業20%、水道10%、工業20%へと節水が強化されました。
四国では吉野川で8月3日に第一次、10日に第二次、19日に第三次取水制限と段階的に強化されています。香川用水では現在50%の取水制限です。
九州でも、水資源機構は8月10日に筑後川局と筑後川上流総合管理所、20日には筑後川下流総合管理所に渇水対策本部を設置しました。
一方、同じ時期の関東を見ると様子が違います。
8月21日時点で、利根川水系上流9ダムの貯水率は93%、荒川水系4ダムは100%でした。多摩川の小河内ダムは61%ですが、少なくとも「日本中のダムが一斉に空になっている」という状態ではありません。
つまり、2026年夏の渇水は、日本列島を東西や都道府県単位できれいに色分けできる現象ではありません。
ここから先では、愛知県の水源がなぜ長野県にあるのか、高知県のダムがなぜ香川県の取水制限につながるのか、そして「貯水率○%」という数字を見るときに注意したいことまで、水の流れを地図の上で追っていきます。
愛知県を探しても、水源が見つからない
この記事は無料で続きを読めます
- 香川県の「水がめ」は、高知県にある
- 「50%取水制限」=家庭の水が半分、ではない
- 同じ兵庫県でも、貯水率はまるで違う
- では「貯水率が低いダムランキング」を作ればいい?
- 筑後川では「水不足になる前」から動いている
- 「2026年夏の渇水地図」を描くなら
すでに登録された方はこちら
