「自動化で解決」で終わらせたくない 荷物の向こうにいる人まで地理で見せたい
今週は、自動物流道路を一週間追ってきました。
月曜日は、道路空間の中に「荷物専用の道」をつくるという構想。
水曜日は、3台の自動運転車両を使って合流やすれ違い、障害物回避まで試す実証実験。
金曜日は地図を開き、物流センターが高速道路やインターチェンジの近くに集まる理由を見ました。
三本とも、かなり未来を感じるテーマだったと思います。
人が運転しなくても荷物が動く。
物流専用の道路ができる。
複数の車両を自動で制御する。
人手不足が進む日本にとって、こうした技術が必要になることはよく分かります。
ただ、記事を書いている途中で、私は何度も一つの表現を消しました。
「人手不足を、自動化で解決する」
という言葉です。
間違いではない。でも、それだけでいいのか
自動物流道路が検討されている大きな理由の一つは、物流を支える人手の不足です。
国は、2030年度にも輸送力不足が生じる可能性があるとして、物流の効率化や自動化を進めています。
だから、
「人が足りない」
↓
「機械に任せる」
↓
「問題解決」
という説明は、決して間違いではありません。
むしろ、とても分かりやすい。
高校生にも伝えやすいと思います。
でも私は、この三段階だけで授業を終わらせるのが少し怖い。
なぜなら、その説明をすると、荷物を運ぶ仕事そのものが「人がやらなくてよい仕事」のように聞こえてしまうからです。
今週の記事を書きながら、私が一番残したかったのは、むしろそこでした。
自動物流道路ができても、人は消えない
自動物流道路には、基本的に運転手が乗りません。
長距離を走る部分の一部を自動化できれば、トラックドライバーの負担を減らせる可能性があります。
これは大きな意味があると思います。
ただ、荷物が自動物流道路に乗る前には仕事があります。
倉庫へ運ぶ人がいる。
荷物を仕分けする人がいる。
積み込む人がいる。
道路や搬送機器を整備する人がいる。
システムを監視する人も必要になります。
そして、自動物流道路を降りた荷物は、そこから先へ行かなければなりません。
店へ。
会社へ。
家庭へ。
自動化によって「人の仕事がなくなる」のではなく、人が担う場所や役割が変わっていく。
私は、この見方を授業に残したいと思っています。
ここから先は、今週の無料記事では書かなかった「なぜ私は自動化という言葉だけで説明したくなかったのか」と、実際に授業で扱うならどんな順番で考えさせたいのかを書きます。

