「荷物だけの道路」を国がつくる? 10月28日実証開始、自動物流道路の正体
ネット通販で注文した商品が、翌日に届く。
スーパーに行けば、全国から運ばれてきた野菜や魚が並んでいる。
私たちは毎日のように荷物を受け取っていますが、その途中を意識することはあまりありません。
ところが今、日本ではその「荷物を運ぶ仕組み」そのものを大きく変える計画が進んでいます。
名前は、自動物流道路(オートフロー・ロード)です。
国土交通省は10月20日、社会実装に向けた実証実験を10月28日から開始すると発表しました。
道路の中に「荷物専用スペース」をつくる
自動物流道路と聞くと、自動運転トラックが高速道路を走る姿を想像するかもしれません。
でも、少し違います。
国土交通省が示している構想は、道路空間の中に物流専用のスペースを設け、無人化・自動化された輸送手段で荷物を運ぶというものです。
人が運転する一般車と同じ道路を走るのではなく、荷物の移動に特化した空間をつくる。
言ってみれば、道路の中にもう一本、
「荷物のための道」をつくる
という発想です。
もちろん、全国の道路すべてをこの形にする計画ではありません。
既存の道路空間をどう活用するのか、どんな搬送機器を走らせるのか、物流施設とどう接続するのか。現在も具体的な形を検討している段階です。
それでも、国が専用ページを設け、実証実験を重ね、2030年代半ばの先行ルート運用を目指しているところまで来ています。
なぜ、そこまで大がかりな仕組みが必要なのでしょう。
荷物があるのに「運べない」時代が来る?
理由の一つが、物流を支える人の不足です。
以前、政府は対策を何もしなかった場合、2030年度にはトラック輸送能力が34.1%、約9.4億トン分不足する可能性があると試算していました。
かなり大きな数字です。
単純化すれば、荷物はある。買う人もいる。
でも、
運ぶ力が足りない。
そんな状況です。
背景には、トラックドライバーの高齢化や人手不足に加え、長時間労働を前提とした物流を続けられなくなっていることがあります。
一方で、ネット通販などによって荷物は小口化し、「少ない量を何度も運ぶ」輸送も増えています。
つまり物流では今、
運ぶ人は減るのに、細かな輸送は必要になる
という難しい状況が生まれています。
ただし、一つ注意があります。
よく使われる「2030年度に34%不足」という数字は、現在もそのまま確定した将来予測というわけではありません。
2026年に国が将来の輸送力を改めて検証したところ、これまでの物流効率化などによって当初想定していた不足の一部は改善したとされています。
最新の検討では、2030年度の輸送力不足は条件によって**平均的な想定で約15%、最も小さい場合約7%、最大で約25%**になる可能性が示されています。
34%という危機がそのまま迫っているわけではない。
でも、対策が不要になったわけでもありません。
物流危機の形が変わりながら、問題そのものは残っている。
その解決策の一つとして考えられているのが、自動物流道路です。
自動運転トラックとは何が違う?
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