首都高からわずか500メートル、物流拠点の場所は偶然ではない? 見てみようあなたの街の「荷物の町」
今週は、「荷物の地理」を見てきました。
月曜日は、道路空間に荷物専用のスペースをつくる「自動物流道路」。
水曜日は、その実証実験で3台の自動運転車両が合流や追い越し、障害物回避まで試すことを見ました。
ここまで見てきたのは、荷物が移動する「線」の話です。
では、その荷物はどこから来て、どこへ向かうのでしょう。
今日は地図の中から、荷物が集まり、分かれていく「点」を探してみます。
首都高から、わずか500m
東京・大田区に「京浜トラックターミナル」という巨大な物流拠点があります。
国土交通省によると、この施設は首都高速の平和島インターチェンジから約500mの場所にあります。
敷地は約24万平方メートル。貨物を一時保管する場所や荷さばきスペースがあり、2025年3月末時点では、1日に約4900トンの貨物を扱っています。
なぜ、こんな巨大な施設が高速道路のすぐそばにあるのでしょう。
答えはかなり単純です。
荷物は、ここに置いておくためではなく、すぐ次の場所へ運ぶために集められるからです。
高速道路まで10kmある場所より、500mの場所の方がトラックはすぐ幹線道路へ入れます。
逆に全国から高速道路を通ってやってきた荷物も、すぐ物流拠点へ入れます。
つまり物流センターにとっては、「土地が広い」だけでは足りません。
どこへでも出ていきやすい場所であることが重要です。
国も「物流拠点と高速道路を直結」させている
この関係は、偶然でもありません。
国土交通省には「民間施設直結スマートインターチェンジ」という制度があります。
高速道路の近くにある大規模物流拠点や工業団地、商業施設などを、高速道路と直接つなぐためのインターチェンジを整備できる制度です。
普通なら、
物流センターを出る
↓
一般道を走る
↓
インターチェンジへ向かう
↓
高速道路に入る
という流れになります。
それを、
物流センター
↓
高速道路
に近づける。
道路と物流施設を、最初から一つのネットワークとして考えているわけです。
ここまで来ると、
「物流センターがたまたま高速道路の近くにある」
とは言いにくくなります。
高速道路があるから、そこが物流拠点として価値のある場所になる。
そんな関係が見えてきます。
道路ができると、物流施設が増えることもある
過去の圏央道沿線を見ると、この関係がさらに分かりやすくなります。
国土交通省の資料では、圏央道沿線に立地する主な大型物流施設が、2012年時点の7件から2017年には27件へ増えました。
約4倍です。
これは現在の最新件数を示す数字ではありません。
でも歴史的な事例として見ると、かなりおもしろい。
道路ができた。
移動時間が短くなった。
広い範囲へ荷物を送りやすくなった。
その結果、その道路を使いやすい場所に物流施設が立地していく。
つまり道路は、できたあとに車が走るだけではありません。
道路ができることで、周りの土地の使われ方まで変わることがあるのです。
これはまさに地理です。
では、自分の町にも「荷物の町」はある?
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- 港の近くに物流センターがある理由も同じ
- 「近い」より「つながっている」が大事
- 自動物流道路の「出口」はどこにつくる?
- 普段は見えない「もう一つの町」
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