「自動で走れたら成功」ではない? 今日始まる“荷物専用道路”の本気の実験が見せる物流のリアル
月曜日の記事では、国が進めている「自動物流道路(オートフロー・ロード)」について紹介しました。
道路空間の中に物流専用スペースを設け、無人・自動の搬送機器で荷物を運ぶ構想です。
そして今日、10月28日。
その社会実装に向けた実証実験が、茨城県つくば市の国土技術政策総合研究所で始まります。
月曜日の記事だけを読むと、「自動で荷物を運ぶ車を走らせる実験なのかな」と思うかもしれません。
ところが、国土交通省が公表している実験内容を読むと、もっと複雑です。
今回のポイントは、1台が自動で走れるかではありません。3台を同時に走らせることです。
3台が同じ道路を走ると、一気に難しくなる
今回の最初の実証には、大成建設、ティアフォー、大成ロテックの3社が参加します。
使われるのは3台の自動運転車両です。
試す内容を見てみると、
先行する車を追いかける。
前の車が止まれば、自分も止まる。
向かいから来る車とすれ違う。
横に並んで走る。
違う方向へ分かれる。
別の道路から合流する。
停止している搬送機器をよける。
道路上に落下物があることを想定して回避する。
そして、指定された場所に正確に止まる。
かなり細かく設定されています。
なぜ、こんなことまで試すのでしょう。
1台だけなら、道路の中央を走らせれば済むかもしれません。
でも実際の物流では、何台もの搬送機器が同じ場所を行き交います。
前の車が遅いこともある。
途中で別のルートへ分かれる荷物もある。
合流してくる車両もある。
何かが落ちているかもしれない。
「自動で走れる」と「物流として使える」は、まったく同じではありません。
何センチの道路なら、すれ違える?
今回の実証でもう一つおもしろいのが、道路の「幅」を調べることです。
自動物流道路を実際につくるなら、搬送機器が安全に走れる幅を確保しなければなりません。
広ければ安全そうですが、道路空間には限りがあります。
必要以上に広くすれば、整備するスペースも費用も増えます。
反対に狭くしすぎれば、対向車とのすれ違いや障害物の回避が難しくなります。
そこで今回の実験では、直線だけでなく曲線も走らせ、対面走行や並走などを通して、どれくらいの幅があれば安全に走れるのかを確認します。
ここで、自動物流道路が単なる「未来の車」の話ではないことが分かります。
考えなければならないのは車だけではありません。
道路そのものを、どんな形につくるか。
これは完全に空間の問題です。
地理の話になってきます。
自動で走れたら成功、ではない
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