人口309万人減ったのに、世帯は129万増えた? 「一人暮らしが増えただけ」では見えない日本の変化
2025年の国勢調査で、日本の人口は約1億2305万人となりました。2020年から約309万7千人、率にして2.5%の減少です。
人口がこれだけ減ったのなら、世帯数も減っていそうです。ところが結果は逆でした。
2025年の世帯数は約5712万5千世帯。2020年より約129万4千世帯増えています。
人口は約309万人減ったのに、世帯は約129万増えた。
ここで多くの人が「一人暮らしが増えただけでは?」と思うはずです。たしかに、それは間違いではありません。ただ、この数字にはもう少し意外な変化が隠れています。
人口が減った45道府県。でも世帯が減ったのは15道県
まず都道府県別に見てみます。
2020年から2025年に人口が増えたのは東京都と沖縄県だけでした。つまり45道府県では人口が減っています。
一方、世帯数が減ったのは15道県だけです。逆に言えば、32都府県では世帯数が増えました。
人口が増えた地域は2都県しかないのに、世帯が増えた地域は32都府県もある。
これは「東京で若い一人暮らしが増えたから」だけでは説明できません。人口が減っている地域でも、世帯数が増えているところが数多くあるのです。
日本中で「一つの世帯」が小さくなっている
ここで重要になるのが、1世帯当たりの人数です。
2020年は2.26人でした。それが2025年には2.15人まで減っています。しかも、この数字は47都道府県すべてで低下しました。
つまり日本で起きているのは、単なる人口減少ではありません。
人が暮らす「単位」そのものが小さくなっています。
たとえば100人が40世帯で暮らしている地域なら、1世帯平均は2.5人です。その後人口が90人に減っても、1世帯平均が2人になれば世帯数は45になります。
人口は10人減ったのに、世帯は5つ増えます。
いまの日本は大まかに言えば、このような状態です。
人口が減る速度より、世帯が小さく分かれていく速度の方が速い。
そのため、人口減少と世帯増加が同時に起きています。
50年前と比べると、もっと変に見える
1970年まで時間を戻してみます。
当時の日本の人口は約1億466万人、世帯数は約3037万世帯でした。1世帯当たりの人数は3.45人です。
2025年の人口は約1億2305万人なので、1970年より約18%多い程度です。
ところが世帯数は約5712万世帯。55年間で約1.9倍になりました。
人口は2割も増えていないのに、世帯はほぼ2倍。
この55年間で変わったのは、日本に住む人の数だけではありません。
「何人で一つの暮らしをつくるのか」が大きく変わったのです。
ここからが「一人暮らしが増えただけ」では終わらない
この記事は無料で続きを読めます
- 世帯数は、もうすぐ減り始める
- さらに不思議なのは、単独世帯もやがて減ること
- 高齢者の「一人暮らし」も変わる
- 世帯数=住宅数ではない
- 人口だけ見ていると、地域の変化を見誤る
- 309万人減って、129万世帯増えた日本
- 参考資料
すでに登録された方はこちら