国が19万4千人の「24時間」を15分刻みで測る? 5年に一度の「社会生活基本調査」から見える時間の地理

朝起きる。学校や仕事へ行く。食事をする。スマホを見る。眠る。私たちには全員、同じ24時間があります。その24時間を、国が約19万4千人について調べる統計があります。しかも15分刻みです。時間を細かく記録すると、暮らしだけでなく「場所」の違いまで見えてきます。
地理おた部 2026.10.05
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一日は24時間です。

これは東京でも宮崎でも変わりません。

大人でも高校生でも、24時間。

お金持ちでも、そうでなくても24時間。

ところが、その24時間をどう使っているかは、人によって大きく違います。

朝6時に起きる人。

8時まで眠る人。

1時間半かけて通勤する人。

10分で職場に着く人。

夕方に買い物へ行く人。

夜に家事をする人。

同じ24時間なのに、中身はまったく同じではありません。

そして今月、国がその違いを大規模に調べます。

名前は、

「社会生活基本調査」

です。

約19万4千人の「一日」を調べる

総務省は10月1日、令和8年社会生活基本調査を実施すると発表しました。

調査の基準日は10月20日。

全国から無作為に選ばれた約9万5千世帯、10歳以上のおよそ19万4千人が対象です。

この調査は5年に一度行われています。

調べるのは、人口だけではありません。

仕事。

家事。

育児。

睡眠。

趣味。

スポーツ。

旅行。

そして、

一日の時間の使い方。

かなり生活に踏み込んだ統計です。

24時間を「96個」に分ける

特におもしろいのが、生活時間の調査です。

調査票Aでは、指定された連続する2日間について、一日を15分単位で記録します。

15分が4つで1時間。

一日は24時間なので、

24×4=96。

つまり、一日を96個の時間の箱に分けることになります。

2日分なら192個です。

その一つ一つについて、

睡眠。

食事。

通勤・通学。

仕事。

学業。

家事。

育児。

買い物。

趣味・娯楽。

スポーツ。

など、20種類の行動から当てはまるものを記録します。

さらに、スマートフォンやパソコンを使っていたか。

誰と一緒にいたか。

といったことまで調べます。

別の調査票Bでは、

「おもに何をしていましたか」

を日記のように詳しく書き、

そのときの場所や、一緒にいた人なども記録します。

考えてみれば不思議です。

国勢調査が「どこに、何人住んでいるか」を調べる統計だとすれば、

社会生活基本調査は、

「その人たちは、一日をどう生きているのか」

を調べる統計ともいえます。

なぜ、そこまで細かく調べるのか

ここで疑問が出てきます。

なぜ15分刻みなのでしょう。

「仕事8時間、睡眠7時間、あとはいろいろ」

くらいではダメなのでしょうか。

細かく記録すると、

単純な合計時間だけでは見えないものが分かります。

例えば、

朝7時台に何をしている人が多いのか。

午後6時に移動しているのは誰なのか。

家事は何時に集中しているのか。

スマートフォンを使う時間帯はいつなのか。

同じ「1時間の家事」でも、

朝30分、夜30分なのか。

夜にまとめて1時間なのか。

生活の形は変わります。

時間を細かく切ることで、

人々の暮らしの「リズム」が見えてきます。

でも、私はここからが地理だと思っています。

同じ24時間なのに、「使える時間」は場所で変わる

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続きは、1970文字あります。
  • 「時間」は見えないけれど、地図にできる
  • 10kmより「30分」の方が大事なこともある
  • 統計を見ると、「個人の努力」だけでは説明できない
  • 宮崎と神奈川では、同じ一時間が違って見える
  • 今日、自分の15分を一つだけ見てみる

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