スクールバスを「地域の足」に? 宮崎で始まる、交通空白を“今ある車”で埋める実験
朝。
子どもたちを学校へ送ったスクールバスが、役目を終えて車庫へ戻ります。
病院や福祉施設にも送迎車があります。ただ、一日中ずっと人を乗せているわけではありません。
一方、その同じ地域では、病院へ行きたいけれどバスがない。買い物へ行きたいけれど、車を運転できない。そんな人がいます。
片方には「使いたい人」がいる。
もう片方には「空いている車」がある。
この二つを、もっと結びつけられないだろうか。
いま国が進めようとしている「交通空白」対策を調べていると、そんな発想があちこちに出てきます。
月曜日の記事では、家からバス停まで300mでも、交通空白になり得ることを見ました。
「交通がある場所」と「実際に移動できる場所」は、必ずしも一致しません。
では、その空白をどう埋めるのでしょう。
新しい路線バスを走らせる。
タクシーを増やす。
それだけではありません。
2026年、国土交通省が全国で進めている実証を見ていくと、少し違った地図が見えてきます。
今年だけで441件。でも「441本の新しいバス」ではない
国土交通省は2026年度、「交通空白」解消等リ・デザイン全面展開プロジェクトを進めています。
4月の第1次では340件、7月の第2次では70件、9月4日に発表された第3次では31件。
合わせて441件が採択されました。
ただし、この441件すべてが「新しいバスを走らせる事業」というわけではありません。
公共ライドシェア。
デマンド交通。
乗合タクシー。
自治体を越えた共同運行。
交通を考える専門人材の育成。
医療、福祉、教育など、交通以外の分野との連携。
かなり幅があります。
9月4日に発表された第3次採択だけを見ても、「交通空白」解消タイプは2件なのに対し、共同化・協業化が3件、モビリティ人材・組織育成が26件です。
つまり国も、「乗り物を増やせば解決」という問題としてだけは見ていません。
その中でも、私が特に気になった言葉があります。
「地域輸送資源のフル活用」
です。
何だか行政用語らしい表現ですが、中身を見るとかなり面白い。
ここから先では、スクールバスや病院の送迎車まで「公共交通の地図」に入れ始めた理由と、私たちの暮らす宮崎で実際に何が始まろうとしているのかを見ていきます。
そのスクールバス、本当に「学校だけの車」なのか
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- 「スクールバス混乗化」って何?
- 北海道では「回送中」まで交通資源にする
- 岡山では約60台の「空き」に注目
- 熊本では、まず「どんな車があるか」を調べる
- 交通空白は「車不足」だけではなかった
- 国も制度を変えようとしている
- 道路ではなく、「使い方」を描き直す
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